ブランディングは、事業計画と財務をつなぐ「判断の軸」

「ブランディングって、本当に売上につながるんですか?」

私も当初はそう思っていましたし、経営者の方からもよくいただく質問です。

確かに、ブランディングは広告のように効果が数字で見えやすいものではありません。
ロゴやパッケージデザインの話だと思われることも少なくありません。

私は中小企業診断士として事業計画策定に携わり、ブランド・マネージャー1級を学ぶ中で、
ブランディングは経営に欠かせないものだと感じています。

ブランディングとは会社の見せ方ではなく、「判断の軸」であり、
その判断の積み重ねが、企業を形作って、最終的に数字(業績)に表れてくるものだと考えています。

目次

多くの人が事業計画を「数字の計画」だと思っている

事業計画というと、「売上、利益、期限」といった数字の計画をイメージする方が多いかもしれません。
もちろん返済計画も重要ですが、私は事業計画はもっと重要な役割があると思っています。

それは、「私たちは誰に、どんな価値を届ける会社なのか」を明確にするものであるということです。

  • どんなお客様の役に立ちたいのか?
  • どんな存在として選ばれたいのか?
  • どんな未来を目指すのか?

売上、利益をどのように作るかを考える際、必要になってくる考え方です。

ブランディングは「どう思われたいか」を整理する作業

私はブランド・マネージャー1級を学ぶ中で、ブランドとはロゴやキャッチコピーではなく、
お客様からどのような存在として認識されたいかを整理することだと理解しました。

例えば、「地域で最も信頼される工務店」を目指す会社と、
「地域最安値を目指す工務店」では、取るべき行動がまったく異なります。

  • どんな商品を提供するのか?
  • どんな人材を採用するのか?
  • どのような接客をするのか?
  • どんな発信をするのか?

すべての判断が変わってきます。
つまりブランドとは、会社の未来像を言葉にしたものではないかと思っています。

ブランドが明確になると、経営の優先順位が見えてくる

経営者の方々は、毎日たくさんの判断をしています。
会社の方向性が曖昧な状態では、その判断も場当たり的になりやすくなります。

一方で、ブランドが明確になると判断基準ができます
例えば、「お客様との長期的な信頼関係を大切にする会社」というブランドを掲げるなら、
短期的な値引きキャンペーンよりも、顧客フォローの仕組みづくりを優先するかもしれません。
広告費を増やすよりも、社員教育に力を入れるかもしれません。
フォロワー数を追うよりも、既存顧客との関係づくりを重視するかもしれません。

先日お伺いした伝統工芸企業の経営者様(BtoC企業)は、原料が高騰しつつある2023年、
それまでの販売価格を維持せず、原料に見合った値上げに踏み切りました。
1年目はやはり売上が落ちたそうです。
そこで、専門家の力を借りてブランディングに取り組み、今年度はV字回復されたとのことでした。
徹底的に顧客に学び、顧客を再定義し、顧客への見せ方をすこしずらす。
そんな工夫をされたとのことでした。

価格で勝負しない。しないで済む方法を真剣に考える。
ブランドとは、何をするかだけでなく、何をしないかを決める基準にもなるという実例のように感じました。

私が事業計画策定支援でブランディングを重視する理由

私は事業計画書を作る際、いきなり売上や利益の数字だけを作るのではなく、
経営者様が「何を大事にされているのか」、「誰にどんな価値を届ける会社なのか」を一緒に整理します。

ブランディングで浮かび上がった方向へ舵を切るためには、財源の裏付けが必要なこともあります。

中小企業では、そこまで整理できているところは少ないと思います。
逆に、会社の方向性・ブランドを整理して実現していれば、大きなアドバンテージになるということです。
多くの企業にはまだ十分に伝わっていない価値が眠っていると考えています。

まとめ

ブランディングと財務は、お互いに関係があるように見えないかもしれません。
でも実際には、事業計画が方向性を示し、ブランドが判断の軸となり、行動が変わり、
数字につながっていきます。

ブランディングを単なる見せ方の問題だとは考えていません。
会社として何を大切にし、何に時間やお金を使い、どのような未来を目指すのかの
判断基準をつくることこそがブランディングだと思っています。

ディアナス経営コンサルティングでは、事業計画策定、ブランディング、マーケティングを
別々のものとしてではなく、一つの流れとしてご支援しています。

想いを数字に、価値をブランドに。
企業の中に眠る魅力を整理し、未来につながる経営を一緒に考えていければ幸いです。

この記事を書いた人

ディアナス経営コンサルティング代表
中小企業診断士/認定支援機関/上級ウェブ解析士/ブランドマネージャー1級

食品や流通の現場で20年以上、年間1000点を超える商品提案を経験してきた実務経験豊富な経営コンサルタントです。

国に認められた中小企業診断士として、食品ビジネスの「売れる仕組み」作りから、ホームページのデータ分析、ブランドの立ち上げまで、課題解決に向けて、常に一番近くで寄り添いサポートします。
現場の目線を重視した売上アップや黒字化への道をわかりやすくご提案します。

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